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最近「非認知能力」という言葉を聞く機会が増えてきているのではないでしょうか?
非認知能力は、学力などとは違い数値化できない人間力のようなもの。幼児期に身に付けておきたい力、大人になってからも役立つ力だと言われています。よくわからない方が多いと思いますが、皆さんに知っておいてほしいことがあります。
親のかかわり方で、子どもの非認知能力を伸ばしていくことができるんです。でも逆に、親がやってはいけない行動を理解しておかないと、子供の人格形成に大きくかかわってしまいます。
この記事では、現役保育士歴26年の私が非認知能力をわかりやすく解説しています。私の子育て経験から感じたことも紹介していますので、ぜひ最後まで読んでくださいね。
「非認知能力」とは?

今までは、学力やIQ、運動能力といった目に見える結果や数値化できる力である認知能力が重視されてきました。そのため親もテストの結果ばかりを気にしてきましたよね。
でも今は違うんです。高校入試までは学力重視だと思いますが、大学受験からはその学校に見合った学力+スポーツ実績やボランティア活動などの学力以外でも評価してもらえる入試方法もあります。(小論文・面接あり、どのような人物なのかも評価されるようです。)
近年では、目に見えない感情や心の働きといったような数値化しにくい力である非認知能力の方が重要であることがわかってきました。親としては、勉強だけでなく、どのような人格に育てるかも重要になってきます。
非認知能力は、他者とかかわる力と自分の内にある力に分かれます。どちらもお子さんの人格形成にかかわる重要なことばかりなので、上手に伸ばしていってあげたいものです。
他者と関わる力
- 自分の意見だけを通すのではなく、他者と協調しながら物事を進め、色々な意見を尊重する
 - 人の気持ちに共感したり、相手の立場になって考える
 - コミュニケーション能力が高く、思いやりを持てる
 
自分の内にある力
- 自己肯定感を持つ
 - 目標に向かってがんばり、最後までやり遂げる
 - 挑戦し、失敗しても立ち直れる
 - 感情をコントロールできる
 
非認知能力を育む方法 3選

非認知能力は大人になってからでも高めることはできますが、脳が発達段階にある幼児期の方が育みやすいと言われています。では、親はどのように接していくのがいいのでしょうか。私の子育て経験も踏まえて、3つの方法をお伝えしていきます。
①子どもがやりたいことを応援する

友達のお子さんで、小さい頃から虫やザリガニ、ヤモリなどの生き物を捕まえてきては自宅で飼育する子がいました。玄関やベランダなどにはたくさんの飼育ケースがあり、掃除やエサやりなども幼児期から子どもの仕事。好きなことなのでどんどん興味が湧いてきて、今では国公立大学で生物を学んでいます。
ひとつの好きなことから興味が広がっていくことは子どもにはよくあること。
 車好きの子どもが、気付いたら車種やメーカー名などを言えるようになっていて、カタカナも読めるようになっていた、なんて話も保育士をしているとよく聞きます。
親は同じことばかりにはまるよりも、あれもこれも…と与えてしまいがちですが、子どもがやりたいことを否定せずに見守ってあげてください。「危ないから」「汚いから」「忙しいから」など、つい言ってしまいがちな言葉もダメ。
親が口を出すのは、危険な時と困ったことがあった時です。
好きなことをやっている自分を応援してくれると感じた子どもは、自己肯定感を高め、非認知能力も自然と身についていきます。
②子どもが決める

自分で決める経験が、子どもの非認知能力を高めます。
それがわかっていても、つい「こっちにしなさい」「こっちの方がいいんじゃない?」「みんなこっちにしてるよ」など親の意見を言ってしまいますよね。
私もこのような言葉を使いながら正論ばかり言う子育てをしてきた結果、6年生の反抗期の息子が何も言わなくなってしまった経験があります。
「別に…」「何でもいい」「どうせ俺の意見を言っても、変えられる…」と言われた時、やっと「こんな子育てしていたらダメや!正論ばかり言って、子供の意見を聞いてなかった!」と気付きました。
それからは、「お父さんとお母さんはこう思うけど、どう思う?」「これを選んだら○○、こっちを選んだら△△」と、提案して選ばせるようにしました。そうすることによって、息子は反抗期がなかったんです。
大学生になった息子に「なぜ反抗期がなかったのか?」を聞いてみたことがあります。答えは、「反抗する所がなかったから」「全部自分で決めれたから」「○○しなさい、と言われなかったから」ということでした。
お子さんの性格にもよると思いますが、自分に決定権があることで子どもは大切にされていると感じ、自己肯定感も高まっていくのだと実感しました。
皆さんのお子さんはまだ小さいと思いますが、親のかかわり方で子どもの性格、人格が変わってきます。どの様に子どもとかかわっていけばいいのかを、考え直すきっかけになれば嬉しいです。
③遊びやお手伝いから得る経験が大事

室内でのひとり遊びや兄弟との遊び、ごっこ遊び、身近なものを使っての工作など、さまざまな遊びを自由にさせてあげてください。もちろん外遊びをして、体を思いっきり動かすことも大切です。
子どもの遊び
何をして遊ぶのかは、子ども自身で決めさせてあげましょう。親は、その環境を整えてあげるだけ。
室内遊びでは、どんなおもちゃを用意するかも重要。できたら知育玩具で遊んでほしいと思いませんか?でも、知育玩具って、高価なんですよね。
そんなパパママにおすすめがあります。「おもちゃのサブスク」って知っていますか?よかったら、参考に。
3歳頃からは、お友だちと一緒に遊ぶようになってきます。保育園でも「○○ちゃんに取られた」などのトラブルが多くなってくる時期でもあります。
4歳以降は遊びを通して、ルールを守ることや我慢をしないといけないことなどを学びます。
- 好奇心
 - 探求心
 - 集中力
 - 社会性
 
たくさん遊んだ子どもの方が、小学校に進学してからの学習意欲が高くなる傾向があります。
子どものお手伝い
お手伝いも自己肯定感を上げるんですよ。
テーブルを拭く、お箸を並べる、洗濯物をたたむ…など、年齢に応じた簡単なことで大丈夫。お手伝いは2歳頃からでもできます。
「ありがとう」「助かったよ」と言われることで、自分の行動が役立つことを理解していきます。
そして、いつも「ありがとう」と言われている子は、他の人に対しても感謝の気持ちを忘れない子になります。
保育園での話。3歳の子に落ちたおもちゃを拾ってあげました。すると「ありがとう」の声が。こんな些細なことでも「ありがとう」と言えるのって、すごくいいですよね。
日々の暮らしの中で行う遊びやお手伝いから得るさまざまな経験や感情が、非認知能力を育てていきます。
子どもの感情を守るために、親がやってはいけない行動を次の章でお伝えします。
非認知能力を伸ばすために親がやってはいけない行動 3選

忙しい毎日の中での子育て。つい、言ってはいけない言葉や態度で子どもの自尊心を傷つけてしまっていませんか?子どもが寝てから寝顔に「ごめんね、言い過ぎた…」と後悔したことはないですか?
①イライラしたり怒鳴らない
子どもは大人が思う以上に、大好きなパパママのことを見ています。イライラしたり、大きな声で怒鳴ったりすると委縮してしまい、子どもの能力を伸ばしていくことが難しくなってしまいます。
忙しい毎日の中でイライラすることもあるかもしれませんが、子育ては思うようにいかないのが当たり前。「まあいいか~」とあきらめて、完璧を目指すのをやめてみてください。
子どもの成長のためにもあまり細かいことにこだわらず、おおらかに構えておくよう心がけましょう。
②心配しすぎて先回りしてしまう…のをやめる
このままいくと失敗することがわかっているから、つい先回りしてしまうことありませんか?
でもね、子どもには失敗した経験も必要。親はケガのないように見守っておく、それだけでいいんです。簡単に説明しますね。
子どもは小さな失敗を繰り返すことで、工夫しながら挑戦を繰り返し、あきらめない心を持つようになります。
親は、「大丈夫!何回でもやり直しできるよ」「難しいよね。○○するのはどうかな?」とヒントを出してあげ、見守ってくださいね。
自己肯定感が低い子はすぐにあきらめてしまいますが、普段から親に認められ自分に自信がある子は、何度でも挑戦します。
結果が悪くても、「〇〇までできたね。あきらめずに頑張ったね。」など、過程を褒めてあげてください。
③きょうだいや友達と比べない
「○○ちゃんはできたのに…」「△△君はこうするんだって」といった言葉をかけると、子どもは大きな劣等感を抱いてしまいます。
子どもが小さい頃は、「ほかの子は喋るようになったのに、ウチの子は遅い」「4歳なのにオムツが外れない…」など、発達に関することで比べてしまっていませんか?
大きくなってくると、学力で比べることが多くなると思います。
子どもによって発達スピードも得意なことも違う。だから違ってもいいんです。ほかの人と比べるのはおかしいのに、ついこの言葉を言ってしまっているパパママが多いのではないでしょうか?
他人と比較ばかりしていたら、自己肯定感が低くなってしまいます。その子自身を見てあげるようにしましょう。
非認知能力は就活でも必要!

私の息子(大学3年生でIT系を目指して就活中)の話をさせていただきますね。今の就活を見ていて気付いたことは、ITを使いこなせることではなく、コミュニケーション能力が求められている、ということ。
就活の選考方法は、グループディスカッションが多く取り入れられていて、1つの課題に対してみんなで意見を交わして答えを導く、というものです。そのやりとりも全部見られていて、頭がよくて、成績のいい子が選ばれる訳ではないんです。
一人で難しい意見を言っている子よりも、みんなの意見をまとめたり、発言していない子に話を振ったりしている子の方が評価が高くなっているようなんです。だから、非認知能力が大切なんだと実感しました。
それに加え、面接では「あなたの失敗経験を聞かせてください。その失敗をどのように改善しましたか?」という質問があります。これも親が先回りしてしまったせいで失敗したことがない子は、何も答えられないですよね。
小さい頃からの親のかかわりが大切なことが、わかっていただけたのではないでしょうか?
まとめ

今の子育てで注目されている「非認知能力」の内容と、非認知能力を育むためには幼児期からの親のかかわり方が大切であることを解説しました。
AIが進化してきた現代においても、非認知能力が必要とされていることもわかっていただけたのではないでしょうか?
親は子どもに環境を用意してあげ、見守る。
乳幼児期は自分から遊びを見つけるのは難しいので、良質なおもちゃ(知育玩具など)を用意してあげるのもおすすめです。


